こんにちは、歯科技工士の杉山です。私の父の実家が、蜜柑農園を営んでおり、
今年の始め1月に、父の兄であるこの蜜柑農園の経営者である伯父亡くなった。
名前は武司さんといい生真面目な人だった。
生前に、この家に遊びに行くと蜜柑の最盛期に武司さんがダンボール1箱の蜜柑を
「持ってけ。」と必ずといって良いほどくれた。
今月十二月の中頃、この家に用事があって久しぶりに行った。
今、蜜柑の最盛期だが、主を失った蜜柑農園は荒れてしまっているのかと思い家人に、
農園の具合を尋ねると、以外にも定期的に農協の職員の人たちが、消毒を行ってくれている
そうで農園は荒れる事もなく、蜜柑は無事に育っているとのこと。
私と、かみさんは早速、山に徒歩で登り蜜柑農園を目指した農園に到着すると武司さんの次女
が、蜜柑切りをしていた、彼女は、私と従姉妹である。
私は、以前、武司さんがまだ元気だった頃、この農園の後継者がいない事から、
自分が、武司さんの手ほどきを受けて、蜜柑農園の後継者になってみようかな、などと
かなり都合の良い考えを持ったことがあった。
今、眼前で、従姉妹が蜜柑切りをしている姿を見ていると、私などが中途半端な気持ちで、
蜜柑を育てる事など、出来るものではないことを実感させられた。
しばらく蜜柑切りをしている従姉妹を見ていると、従姉妹が、突然「切りたての蜜柑食べる?」と
聞いてきた。
私は、「ああ。」と言い、蜜柑を一つもらい食べてみると思ったより甘くなかった。
従姉妹は、「切りたては、まだあんまり甘くないの、切ってから、日にちを置くと段々
甘くなっていくの。」といった。
私は「ふーん、そうなのか。」と感心してしまった。
帰りは、かみさんと従姉妹は、軽トラックの運転席に乗り私は、荷の番という事で軽トラックの
荷台に乗って、山を降り、武司さんの家に着いた。
私たちは、おみやげに蜜柑を30個ばかり貰い帰った。
蜜柑農園の山が、あまりに寒かったため、その日は、貰った蜜柑を食べる気がしなかった。
来年も、武司さんの蜜柑農園の蜜柑たちが、甘く育つ事を願う一日であった。